舩橋クリニック|和歌山市岩橋の心臓血管外科・内科・放射線科

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下肢静脈瘤について

下肢静脈瘤とは?

下肢静脈瘤は、足の血管(静脈)がふくらんで、ボコボコと盛り上がって見える病気です。見た目の問題だけでなく、足のだるさや痛み、むくみ、かゆみなどの不快な症状が出ることがあります。重症になると、皮膚の色が黒ずんだり、潰瘍(かいよう)といって傷ができることもあります。

なぜ起こるの?

血液は心臓から全身に送り出され、役目を終えたら静脈を通って心臓に戻ってきます。足の静脈には、「逆流防止弁」がついており、血液が心臓に向かって正しく流れるようになっています。
しかし、この弁が壊れると、血液が足のほうへ逆流し、静脈にたまってふくらんでしまいます。これが下肢静脈瘤です。
主な原因は以下のとおりです

  • 長時間の立ち仕事や座りっぱなしの生活
  • 妊娠・出産(女性に多い)
  • 加齢(年を取ると弁が弱くなる)
  • 遺伝(家族に静脈瘤があると起こりやすい)

治療法について

下肢静脈瘤は自然に治ることはありませんが、いくつかの治療法で症状の改善が期待できます。症状の程度や静脈の状態に応じて、治療法を選びます。

圧迫療法
医療用の弾性ストッキングを履いて、足の静脈を外側から圧迫します。これにより、血液の流れを助け、むくみや痛みを和らげます。日常生活の中で無理なく取り入れられる方法ですが、静脈瘤そのものを根本的に治すものではありません。

血管内焼灼術
近年、主流となっている治療法です。細いカテーテル(管)を静脈の中に通し、高周波(ラジオ波)を使って、壊れた静脈を内側から焼いてふさぎます。局所麻酔で行え、体への負担が少ないため、日帰りでの治療が可能です。

ベノシール療法(接着剤による血管閉鎖術)
カテーテルを使って、特殊な医療用接着剤を壊れた静脈に注入し、内側からふさいでしまう治療法です。熱を使わないため、焼灼術に比べて痛みや神経への影響が少ないのが特徴です。

手術療法(ストリッピング手術など)
重度の下肢静脈瘤や過去に深部静脈血栓歴がある場合は、静脈を切除する手術(ストリッピング手術)を行うことがあります。以前は主流でしたが、体への負担が大きく、現在では血管内治療に比べて選択される機会は減っています。

下肢静脈瘤の手術にかかる費用について

当院では、下肢静脈瘤の手術(血管内焼灼術・硬化療法など)は健康保険が適用される保険診療として行っております。以下は、実際に手術にかかる自己負担額(3割負担の場合)の目安です。

血管内焼灼術(レーザー治療・高周波治療)

  • 片脚の場合:約 30,00035,000
  • 両脚の場合:約 60,00070,000

この治療は、血管の内側からレーザーまたは高周波の熱で静脈を閉塞させる治療法で、日帰り手術が可能です。
※術前検査(超音波検査、採血など)、診察料、投薬料、医療用ストッキング代などは別途費用がかかります

当院での下肢静脈瘤治療の流れ

当院では、下肢静脈瘤の治療にあたり、まず問診・診察・エコー検査を行い、手術の適応があるかどうかを判断いたします。
「下肢の違和感」を主訴として来院される患者様のうち、実際に手術適応となる方は当院ではおよそ50%程度です。
それ以外のケースでは、深部静脈の拡張、脊柱管狭窄症、糖尿病などのような疾患が原因となることも多く見受けられます。
このような場合に下肢静脈瘤の手術を行っても、症状の改善が期待できないため、手術の適応判断は非常に重要です。
手術が適応となった場合は、複数の治療法の中から、それぞれのメリット・デメリットを丁寧にご説明した上で、患者様ご自身に選択していただいております。
手術はすべて局所麻酔で行っており、これまで全身麻酔が必要となったケースはございませんが、ご希望があれば全身麻酔も可能です。
手術時間は約20〜40分程度と短時間で終わります。現在、火曜および木曜の午後に、2つの提携施設にて手術を実施しております。
どちらの施設も、万が一の緊急時にもしっかり対応できる設備を備えておりますので、安心して手術を受けていただけます。
術後は、経過観察のために約3回程度の通院が必要です。治療後のフォローも丁寧に行っておりますので、ご安心ください。