舩橋クリニック｜和歌山市岩橋の心臓血管外科・内科・放射線科

2025年（令和7年）4月1日より、和歌山市では帯状疱疹ワクチンの定期接種が始まりました。対象となる方には、接種費用の一部が公費で助成されます。

定期接種の対象者は以下の通りです

• 年度内に65歳を迎える方
• 2025年度から2029年度までの5年間の経過措置として、その年度内に70、75、80、85、90、95、100歳となる方
• 100歳以上の方については、2025年度に限り全員対象
• 60～64歳で、心臓・腎臓・呼吸器の重い病気や免疫機能障害がある方

〇令和７年度対象者

※接種日に年齢に達していなくても、「令和7年4月1日～令和8年3月31日」の期間内に接種できます。

〇帯状疱疹ワクチンの種類

帯状疱疹ワクチンの定期接種対象者に対して、個別に郵送で案内（和歌山市では6月頃）が届く予定です。
医療機関により、事前予約が必要な場合がほとんどなので、届いたら早めに確認してください。

そもそも、なぜ帯状疱疹ワクチンが必要なのか？

水ぼうそう（水痘）に一度かかったことがあるのに、なぜまたワクチンが必要なのか？
そう疑問に思われる方も多いかと思います。実は、水ぼうそうと帯状疱疹は同じウイルスによって起こる病気ですが、以下の3つの理由から、過去に水ぼうそうにかかったことがある方でも、帯状疱疹ワクチンの接種はとても大切です。

① 一度免疫ができても、年齢とともに弱くなる

水ぼうそうにかかると、ウイルスに対する免疫が体に記憶されます。しかし、この免疫は年齢を重ねるにつれて徐々に弱まってしまいます。特に50歳を過ぎると免疫力が落ちやすくなり、ウイルスが再び活性化しやすくなります。その結果、帯状疱疹を発症するリスクが高まります。

② 帯状疱疹は「再感染」ではなく「再活性化」

帯状疱疹は、外からウイルスが再びうつることで起きるのではありません。水ぼうそうのウイルスは、一度かかると神経の奥にひそかに潜伏し、一生体内に残ります。そのウイルスが、免疫力が落ちたときに再び目を覚まし、帯状疱疹として現れます。

③ ワクチンは「免疫の再教育」と「強化」

帯状疱疹ワクチン（特に不活化ワクチンのシングリックス）は、弱まってきた免疫を再び強くするためのものです。すでに水ぼうそうにかかった方でも、ワクチンを打つことで、より強く、より長く続く免疫が得られます。これにより、帯状疱疹の発症リスクを90％以上減らすことができます。

まとめ

水ぼうそうにかかったことのある人は、年齢を重ねて免疫力が落ちると、帯状疱疹になるリスクが高まります。
ワクチンはそのリスクをしっかり下げる手段です。ぜひ帯状疱疹ワクチンの接種をご検討ください。